日本版学位資格枠組NQFの可能性を考える

2021年9月14日に開催された第二回の内部研究会は、NQF(国家資格枠組:National Qualifications Framework)をテーマに議論が展開されました。まず、滋慶医療科学大学教授で九州大学名誉教授の吉本圭一氏から「日本版学位資格枠組NQFの可能性」と題しご講演いただきました。続いて滋慶教育科学研究所職業人教育研究センターの志田秀史氏より介護福祉士養成施設(専門学校)における外国人の戦略的受け入れに関わる取り組みについて、インドネシアと連携した例などを挙げて実践的な立場からご報告いただきました。出席者を交えた質疑応答では「今後東南アジアから日本に介護をしに来てくれる外国人はどんどん減っていくのではないか」といった意見や、職業的役割と教育プログラム両方に対応してマトリクスを作成する必要性などについて議論が交わされました。

研究会の発表資料と報告書は以下からご覧いただけます。

報告書の構成

I. 日本版学位資格枠組NQFの可能性(吉本氏)

  1. 第三段階教育における学術と職業の複眼的アプローチ
  2. 第三段階教育における「職業教育」の適切な質の認定と向上の課題
  3. ユネスコによる新たな職業教育勧告
  4. 第1世代としての英国および旧英連邦諸国の1990年代からのNQF開発・導入
  5. NQFによる国家間、セクター間、教育と労働の間での学位・資格の相互の読み替え
  6. NQFを必要とし、その障害となる日本の教育体系
  7. 日本の職業・労働の制度世界の課題
  8. 東アジアの機関自律型にかかる困難と韓国の挑戦
  9. 日本版学位資格枠組みの基本構造と可能性
    9-1. 日本版NQFに向けて
    9-2. 学校教育法等の各学校種の目的、目標規定からのNQFタキソノミーの抽出
    9-3. CEDEFOP分類に対応するEQ教育訓練分野分類

II. 介護福祉士養成施設(専門学校)における外国人の戦略的受け入れに関わる取り組み報告(志田氏)

  1. 介護分野における外国人留学生の推移
  2. 養成施設(専門学校)ルート(外国人介護人材受入れの仕組みより)
  3. 外国人入学受け入れ及び卒業後の状況(滋慶学園、埼玉福祉学園(現東京滋慶学園))
  4. 国際通用性のある外国人戦略的受け入れに関わる戦略事例(敬心学園)
  5. 介護分野の学習成果マトリクス策定事例の紹介(九州大学第三段階教育研究センター 研究プロジェクト)

III. 質疑応答